2016年5月6日金曜日

熊本地震の予知には至らず! 惜しかった予測「ブロック断層モデル」とは

平成28年熊本地震については、いずれの予言者・地震研究者も予知・予測できなかった不意を突かれたような地震でした。
九州・熊本は歴史的に見ても特に地震が少ない地域の様なので、やはりそういう先入観が影響したのでしょうかね??


◆九州の危険性をサラッと取り上げたNHKスペシャル


生放送では見ませんでしたが、2016年4月3日放送のNHKスペシャル「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ 日本に迫る脅威 地震列島 見えてきた新たなリスク」では

・西日本一帯のプレートが一枚岩ではない事
・細かく分かれたプレートの「ブロック」がそれぞれ別の動きを示していること。
・それぞれのブロックの境目である「ブロック断層」にどのようなストレスがかかっているかGPSデータから予測出来そうな事

を放送していました。


放送では九州にかかるストレスが最新のGPS研究で明らかになったと、まさに今回地震が起きた九州の活断層帯(布田川・日奈久断層)を映像とデータで示しましたが、残念ながら詳しく解析などはされず、一押しの危険地域は山陰地方であると出演していた京都大学防災研究所付属地震予知研究センター 准教授の西村卓也氏は述べていました。

今後、山陰地方でも実際にブロック断層による内陸地震が発生するかもしれませんので、間違いでは無いかもしれませんが、放送が熊本地震の11日前であっただけに残念でなりませんでした。


◆地震予測研究「ブロック断層モデル」とは

京都大学防災研究所付属地震予知研究センター 准教授の西村卓也氏によると、GPSを用いた地殻の変位量測定結果から、これまで数枚のプレートに分かれていると思われていた日本列島は、プレートがさらに細かくひび割れた様に多数のプレートに分かれている事がわかったとのことです。

これまで考えられていた日本のプレート
(引用元:http://rubeusu-trend.com/1734/)
西南日本地域のブロック断層モデル
(引用元:http://www.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/images/2016/04/3acf5d38f092d181419e2cf6adf8bbf9.pdf)

◆ブロック断層の動き

ブロック断層は同じプレート内にありながらそれぞれ固有の動きをしているそうです。
そのため、活断層が確認されていない地域での地震の理解にもつながるとのこと。

九州のブロック断層の動きを見てみると、宮崎県側から押してくる動きがあたかも固いものにあたって方向を変える様に向きを変えている場所の境目が今回熊本地震を引き起こした布田川・日奈久断層で、ちょうどブロック同士が衝突する場所ではないかと考えられています。


九州ブロック境界の拡大図とGNSS変位ベクトル
(引用元:http://www.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/images/2016/04/3acf5d38f092d181419e2cf6adf8bbf9.pdf)


◆地殻変位の見える化


この研究が進んで、地震発生前の情報提供が行われれば、多くの人命が救われる事でしょうね。
期待して見守りたいと思います。


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